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2006年3月26日

フランス:シラク大統領、Englishで憤慨し会議を退席

BBCNEWSWebsiteの該当記事

 怒るのは体に良くありませんね。
 血圧が平常時の二倍(!)になるそうです。
 なぜかと言うと、「怒る」という状態は「戦闘体制」に入ることであり、「戦い」に備えて体中に血液がどんどん供給されるから、だそうです(お医者さんが教えてくれました)。
 いつも怒っていると、血管がその異常な負荷に耐え切れず傷ついてしまい、血管系の疾患の原因にもなるそうです。

 しかしまぁ、自分達が払ってきた努力を、味方だと思い込んでいた人間にフイにされたら、怒るのも仕方ないかもしれませんね。

 シラク大統領、大いに憤慨したようです。
 なぜでしょうか?

 明るいニュースでもハッピーなニュースでもないのですが、興味深い内容なので、取り上げてみました。
 前半と中盤を全訳でご紹介しましょう。

フランス大統領、ジャック・シラクは、EUサミットにおいてフランスのビジネスリーダーが英語で演説を始めた時、怒りを隠す事ができなかった。
French President Jacques Chirac showed his temper at the EU summit when a French business leader addressed delegates in English.


 英語の演説が原因のようですが、一国の大統領がなぜ国際会議の席上で怒りを露わにしたのでしょうか?

Ernest-Antoine Seilliereが「今日のヨーロッパでは、英語はビジネス言語として受け入れられている」と、彼が英語で演説する理由を説明した時、シラク大統領は怒って会議を飛び出した。
He stormed out of a session when Ernest-Antoine Seilliere said he chose English "because that is the accepted business language of Europe today".

シラク氏は金曜日、記者団に対し、サミットで演説するに際してフランス人が英語を選択したことに対し、「深いショック」を受けた、と語った。
Mr Chirac told reporters on Friday he was "deeply shocked" that a Frenchman chose to address the summit in English.


 フランス人が国際会議で英語を使ったことに、怒り心頭に達したわけですね。

ブリュッセルで行われているサミットでは、議論が白熱する課題として保護主義が取り上げられている。
Protectionism has emerged as a hot topic at the Brussels summit.


 "hot topic"、辞書では「最新の話題」だそうですが、ここでは各国の利害関係が衝突する「熱い課題」として訳しました。

シラク氏の抗議行動は、経営者の団体であるUNICEの会長を務めるフランス人、Seilliere氏が、英語で会議に臨む、と発言した事がきっかけだ。
Mr Chirac's protest came when Mr Seilliere, the French president of the employers' association UNICE, said he would address the meeting in English.

フランス当局者によると、Seilliere氏の演説は、「一体全体、君はなぜ英語で話しているのかね」とフランス語で問い掛けたシラク氏の発言で、中断したそうだ。
According to a French official, Mr Seilliere was interrupted by Mr Chirac, who asked him in French why on earth he was speaking English.

彼はシラク氏の質問に対し、「英語はこの会議では実用的な言語であり、現在のヨーロッパでは、ビジネス言語として受け入れられている」と答えた。
He replied that English was the working language of that particular session and the accepted business language of Europe today.


 
Seilliere氏は聞き手に配慮して英語を選択したのでしょうか?
 ヨーロッパの国際会議に出ようとすると、英語だけじゃなくてフランス語もわかる必要があるのでしょうか。
 同時通訳で対処できるのかな?
 それとも、「教養」として、そんな会議に出席する人達は、どちらも身に付けているのかな?

外務大臣のPhilippe Douste-Blazyと財務大臣のThierry Bretonが、シラク氏と連れ立って会議を退出した。
Mr Chirac, Foreign Minister Philippe Douste-Blazy and Finance Minister Thierry Breton left the room.


 シラク大統領だけでなく、フランスの代表団も退席したようですね。

シラク氏はヨーロッパ中央銀行のフランス人総裁、Jean-Claude Trichetがフランス語で行った演説を聞くために、会議室に戻った。
Mr Chirac returned to hear the French president of the European Central Bank, Jean-Claude Trichet, address the leaders in French.


 会議そのものをボイコットしたわけじゃないみたいですね。
 この辺の行動、ちょっと大人気ないというか、かわいいと言うか…、あっ、あくまでこれ、私の感想ですよ。

後刻、彼は自身の行動についてこう説明した。「フランス人は自分たちの言葉に、深い尊敬を払っている」
He later explained his actions, saying: "France has great respect for its language.

「我々はこれまでずっと、フランス語のプレゼンスを確立するために戦ってきた。オリンピックの会場であっても、そこでは一時期、危ういことも合ったけどね。欧州連合の場であっても、国連の会議においても」
"It has been fighting for a long time to establish the presence of the French language - whether it be at the Olympic Games, where it was contested for a while, whether it be in the European Union, or at the United Nations."


 ここの訳、自信ありません。
 おかしな点、ご教示下されば幸いです。

彼はこうも付け加えた。「我々が払ってきた不断の努力を顧みると、特にこの欧州連合の会議において…、フランス人が英語を会議で使っているのを見た私は、深いショックを受けたと言わざるを得ない。これがフランス代表団と私が退席した理由だ。フランス人が英語を話すのを聞かねばならないのであれば、だね」
He added: "Faced with the efforts that we are making constantly, particularly within the European Union... I must say that I was deeply shocked to see a Frenchman speak at the council in English. That is the reason why the French delegation and I left, rather than have to listen to that."

 多くのフランス人達が、フランス語普及のために延々と払ってきた努力に応えるために、フランス人による英語の演説をボイコットしたのでしょう。

 後半は簡単な紹介に止めましょう。

 シラク大統領が国際会議の席上において、フランス語を擁護するような行動に出たことは、今回が最初で無いそうです。
 シラク大統領、若い頃はアメリカのハーバード大学で学び、ビール会社でフォークリフトを運転していたそうです。
 もちろん、彼自身は英語ができるそうですが、前回の国際会議ではフランス語に拘り、同時通訳を介して英語に翻訳したそうです。

 フランス人が自国の言語に拘り、プライドを抱いているというニュースは、それほど珍しくありませんね。
 それだけ彼らが自分たちの言葉を愛しているという事なのでしょうか。
 今回の訳も、脚色がかなり入ってます。ご注意ください。

4 コメント:

夕日 さんのコメント...

そういえばシラクさんは、イギリス料理はマズイとか言ってましたね。
フランス人は英語がわかっていても知らないふりをするとか、イギリスの下風に立つのをよしとしない伝統かな。
小話では、フランス人は「○○をしないでください」というとやるとか…ホント?

ちゃめ さんのコメント...

夕日さん、こんにちは。
>そういえばシラクさんは、イギリス料理はマズイとか言ってましたね。

 そうなんですか。
 でも、言われても仕方ないかも?ですね。
 イギリス料理…フィッシュ&チップスしか思い浮かばない…。
 でも、紅茶はとウィスキーは旨いですね。

>イギリスの下風に立つのをよしとしない伝統かな。

 トラファルガーでこてんぱんにやっつけられて以来でしょうね(笑)。

 外交でも英米とは一線を画していますね、フランスは。
 意固地にも思えますが、自分の道を行くフランスは国際社会において貴重な存在なのかも知れません。
 フランス人の偏固なところや、「フランスが一番」という盲目的愛情、彼ららしくて、実は好きだったりします。

福助 さんのコメント...

ちゃめさん、お久しぶりです。
フランス人は過剰に自分たちの文化に誇りを持っていそうですね。パリに行ったときも友人から『フランス語しか通じないよ』って忠告されました。もっとも私は英、仏両方とも駄目ですが(笑
ちょっと、違う話ですが先日新聞で『2ヶ国語喋れるのはバイリンガル。自国の言語しか喋れないのはアメリカン』というジョークが描いてあって笑ってしまいました。英語は世界の標準語だと思って他国の文化を知ろうとしないことへの揶揄だと思いますが、さもありなん、、と(笑

ちゃめ さんのコメント...

福助さん、お久しぶりです

>パリに行ったときも友人から『フランス語しか通じないよ』って忠告されました。

良く聞く話ですね~。

私は名詞に性別がある時点で、お手上げです(笑)。
英語の次にチャレンジするなら中国語ですね。


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