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2006年3月29日

ナイジェリア:政府、日食に警戒を強める

BBCNEWSWebsiteの該当記事

 本日(2006/03/29)、日本時間18:00頃からでしょうか、アフリカとヨーロッパ、中央アジアで日食(日蝕)が観察できるそうです。 ネット上で日食をライブ中継するサイトもあるようですね。
 一部の地域では皆既日食が観察できるようですが、日食が思わぬ混乱を起すと懸念されている国もあるようです。

 ナイジェリア政府が、日食に関して盛んに広報活動を行っているようです。
 一体、どうしたのかな?

 前半は全文を訳してみましょう。

ナイジェリア政府は、水曜日の日食を迷信的に解釈しないように呼びかける、宣伝活動を強化している。
Nigeria has stepped up a campaign to stop superstitious interpretations of Wednesday's eclipse of the sun.


 日食が自然現象であり、天体の運行を計算すれば予期できる事は、日本では「常識」ですね。
 日本人で日食や月食に対して宗教的な意味を見出す人は殆どいないでしょうが、「蝕」に対して宗教的な意味を見出す考え方も、世界にはまだまだ、存在するようです。

当局は、2001年に月食を契機として発生した、イスラム教徒の暴動が再現されることを恐れている。2001年には月食がきっかけとなり、キリスト教徒を襲う暴動が発生した。
The authorities fear a repeat of Muslim riots in 2001, when a lunar eclipse prompted attacks on Christian targets.

日食や月食は、罪深い行為に対する神の怒りとして解釈されている。それに対して政府は、自然現象に対して宗教的な意味を見出さないように、広報活動を繰り広げている。
The eclipse was seen as anger from god for sinful activities. But new adverts say no religious significance should be placed on the natural phenomenon.


「蝕」を神の怒りとして信じる人にとって、日食や月食は恐ろしい現象なのでしょう。
 そのような考え方を、私は否定するつもりはありませんが、他人に対する暴力の裏付けとするのには、眉をひそめざるを得ません。
「神の怒り」を自分の行為に対する反省の契機とすれば良いのでしょうが、それを利用して「異教徒に対する敵意と怒り」を扇動する「人間」が、どこの世界にもいるのでしょうか?

先月、預言者ムハンマドを風刺したマンガへの、抗議として発生した宗教的な暴動は、100人以上の生命を奪った。
Last month, religious riots over the cartoons satirising the Prophet Muhammad claimed more than 100 lives.

皆既日食の期間中、月が太陽の光を遮り、空は夜のように暗くなる。
During a total solar eclipse, the moon blocks the light from the sun and the sky appears as dark as night.


 後半は抜粋でご紹介しましょう。

BBCの記者、Jamilah Tangazaは、情報大臣Frank Nwekeが多数のテレビ広告に出演し、迷信的な解釈を取らないように注意を呼びかけている、と報告する。
The BBC's Jamilah Tangaza says Information Minister Frank Nweke is appearing on many of the television adverts warning against superstitious interpretations.

預言者ムハンマドを風刺したマンガを契機として発生した先月の暴動は、大統領に三選への道を広げる、憲法改正への動きに対する抗議と相まって、勢いを増した。
The cartoon riots last month overlapped with protests against attempts to change the constitution to allow the president to run for a third term.


 宗教的な不満が政治的な抗議活動と同調し、情勢を不安定化させることを、当局は恐れているようですね。

翌年の選挙を控えたナイジェリアの政局は熱を帯びつつあり、政府は一致団結して日食に対する広報活動に当たらざるを得ない。
This rising of Nigeria's political temperature - ahead of next year's elections - has prompted a concerted government campaign over the eclipse, our correspondent says.


 政府の強力なキャンペーンの背後には、政治的な思惑があるようですね。
 憲法を改正してまで三選を図る大統領にも、問題がありそうですが。

日食の科学的な説明をするために、科学者達もナイジェリア各地に派遣されている。
Scientists have also been despatched to different parts of the country to explain the scientific aspects of the eclipse.


 研究に勤しみたい科学者にとっては迷惑な話ではないでしょうか?

水曜日の現地時間、午前9時15分から9時45分にかけて、ナイジェリアの北西部と南西部、同国の36州のうち14州を、日食による闇が包むだろう。
Darkness will fall in north-west and south-west Nigeria, in 14 of the country's 36 states between 0915-0945 local time on Wednesday.


 動機はなんにせよ、政府の広報活動には功を奏して欲しいものですね。
 日食が暴動などに発展しないように。

 いつもの如く、私の訳は脚色しているので、ご注意ください。

2006年3月26日

フランス:シラク大統領、Englishで憤慨し会議を退席

BBCNEWSWebsiteの該当記事

 怒るのは体に良くありませんね。
 血圧が平常時の二倍(!)になるそうです。
 なぜかと言うと、「怒る」という状態は「戦闘体制」に入ることであり、「戦い」に備えて体中に血液がどんどん供給されるから、だそうです(お医者さんが教えてくれました)。
 いつも怒っていると、血管がその異常な負荷に耐え切れず傷ついてしまい、血管系の疾患の原因にもなるそうです。

 しかしまぁ、自分達が払ってきた努力を、味方だと思い込んでいた人間にフイにされたら、怒るのも仕方ないかもしれませんね。

 シラク大統領、大いに憤慨したようです。
 なぜでしょうか?

 明るいニュースでもハッピーなニュースでもないのですが、興味深い内容なので、取り上げてみました。
 前半と中盤を全訳でご紹介しましょう。

フランス大統領、ジャック・シラクは、EUサミットにおいてフランスのビジネスリーダーが英語で演説を始めた時、怒りを隠す事ができなかった。
French President Jacques Chirac showed his temper at the EU summit when a French business leader addressed delegates in English.


 英語の演説が原因のようですが、一国の大統領がなぜ国際会議の席上で怒りを露わにしたのでしょうか?

Ernest-Antoine Seilliereが「今日のヨーロッパでは、英語はビジネス言語として受け入れられている」と、彼が英語で演説する理由を説明した時、シラク大統領は怒って会議を飛び出した。
He stormed out of a session when Ernest-Antoine Seilliere said he chose English "because that is the accepted business language of Europe today".

シラク氏は金曜日、記者団に対し、サミットで演説するに際してフランス人が英語を選択したことに対し、「深いショック」を受けた、と語った。
Mr Chirac told reporters on Friday he was "deeply shocked" that a Frenchman chose to address the summit in English.


 フランス人が国際会議で英語を使ったことに、怒り心頭に達したわけですね。

ブリュッセルで行われているサミットでは、議論が白熱する課題として保護主義が取り上げられている。
Protectionism has emerged as a hot topic at the Brussels summit.


 "hot topic"、辞書では「最新の話題」だそうですが、ここでは各国の利害関係が衝突する「熱い課題」として訳しました。

シラク氏の抗議行動は、経営者の団体であるUNICEの会長を務めるフランス人、Seilliere氏が、英語で会議に臨む、と発言した事がきっかけだ。
Mr Chirac's protest came when Mr Seilliere, the French president of the employers' association UNICE, said he would address the meeting in English.

フランス当局者によると、Seilliere氏の演説は、「一体全体、君はなぜ英語で話しているのかね」とフランス語で問い掛けたシラク氏の発言で、中断したそうだ。
According to a French official, Mr Seilliere was interrupted by Mr Chirac, who asked him in French why on earth he was speaking English.

彼はシラク氏の質問に対し、「英語はこの会議では実用的な言語であり、現在のヨーロッパでは、ビジネス言語として受け入れられている」と答えた。
He replied that English was the working language of that particular session and the accepted business language of Europe today.


 
Seilliere氏は聞き手に配慮して英語を選択したのでしょうか?
 ヨーロッパの国際会議に出ようとすると、英語だけじゃなくてフランス語もわかる必要があるのでしょうか。
 同時通訳で対処できるのかな?
 それとも、「教養」として、そんな会議に出席する人達は、どちらも身に付けているのかな?

外務大臣のPhilippe Douste-Blazyと財務大臣のThierry Bretonが、シラク氏と連れ立って会議を退出した。
Mr Chirac, Foreign Minister Philippe Douste-Blazy and Finance Minister Thierry Breton left the room.


 シラク大統領だけでなく、フランスの代表団も退席したようですね。

シラク氏はヨーロッパ中央銀行のフランス人総裁、Jean-Claude Trichetがフランス語で行った演説を聞くために、会議室に戻った。
Mr Chirac returned to hear the French president of the European Central Bank, Jean-Claude Trichet, address the leaders in French.


 会議そのものをボイコットしたわけじゃないみたいですね。
 この辺の行動、ちょっと大人気ないというか、かわいいと言うか…、あっ、あくまでこれ、私の感想ですよ。

後刻、彼は自身の行動についてこう説明した。「フランス人は自分たちの言葉に、深い尊敬を払っている」
He later explained his actions, saying: "France has great respect for its language.

「我々はこれまでずっと、フランス語のプレゼンスを確立するために戦ってきた。オリンピックの会場であっても、そこでは一時期、危ういことも合ったけどね。欧州連合の場であっても、国連の会議においても」
"It has been fighting for a long time to establish the presence of the French language - whether it be at the Olympic Games, where it was contested for a while, whether it be in the European Union, or at the United Nations."


 ここの訳、自信ありません。
 おかしな点、ご教示下されば幸いです。

彼はこうも付け加えた。「我々が払ってきた不断の努力を顧みると、特にこの欧州連合の会議において…、フランス人が英語を会議で使っているのを見た私は、深いショックを受けたと言わざるを得ない。これがフランス代表団と私が退席した理由だ。フランス人が英語を話すのを聞かねばならないのであれば、だね」
He added: "Faced with the efforts that we are making constantly, particularly within the European Union... I must say that I was deeply shocked to see a Frenchman speak at the council in English. That is the reason why the French delegation and I left, rather than have to listen to that."

 多くのフランス人達が、フランス語普及のために延々と払ってきた努力に応えるために、フランス人による英語の演説をボイコットしたのでしょう。

 後半は簡単な紹介に止めましょう。

 シラク大統領が国際会議の席上において、フランス語を擁護するような行動に出たことは、今回が最初で無いそうです。
 シラク大統領、若い頃はアメリカのハーバード大学で学び、ビール会社でフォークリフトを運転していたそうです。
 もちろん、彼自身は英語ができるそうですが、前回の国際会議ではフランス語に拘り、同時通訳を介して英語に翻訳したそうです。

 フランス人が自国の言語に拘り、プライドを抱いているというニュースは、それほど珍しくありませんね。
 それだけ彼らが自分たちの言葉を愛しているという事なのでしょうか。
 今回の訳も、脚色がかなり入ってます。ご注意ください。

2006年3月23日

米国:太ったパパ、子供達のために徒歩でアメリカ横断中

BBCNEWSWebsiteの該当記事

 昨晩、BBCNEWSWebsiteで巡り会ったチャレンジャーのニュースをご紹介しましょう。
 見た瞬間に、このブログで紹介しようと決めました。

 肥満に悩んでいたパパ、スーパーマーケットの通路を歩くだけで、息が上がっていた男性が、徒歩でアメリカを横断中だそうです。
 途中までは全訳でご紹介しましょう。

その旅が始まった時、病的な肥満に悩むSteve Vaughtが減量のために挑戦している、アメリカ西海岸から東海岸へと至る徒歩の旅を、知る人は誰もいなかった。
It began as an unheralded coast-to-coast walk designed to help morbidly obese Steve Vaught lose weight.

しかし、彼の旅の行程が2,300マイル(3,700km)に至った今、この元アメリカ海兵隊員は、本の出版契約を結び、月に70万ヒットを記録するウェブサイトを持ち、オプラ・ウィンフリーのインタビューを受けた。
But some 2,300 miles (3,700km) into his journey, the former US marine now has a book deal and a 700,000-hits-a-month website, and has been interviewed by Oprah.


 "Oprah"というのは、女性司会者オプラ・ウィンフリーさんのことでしょう。
 恥ずかしながら私、この記事を読んで調べるまで、全く知りませんでした。
 Oprah Winfreyさん、「セレブリティー(celebrity)」という形容に恥じない超有名司会者だそうです。
 ウェブサイトもお持ちで、雑誌も発行されていますね。
 彼女のノーベル平和賞受賞を応援するウェブサイトもありました。

Steveの時速3マイルの旅、広大で多様性に富むアメリカの田舎道を歩く彼の旅は、昨年の4月、カリフォルニア州南部から始まった。出発した時、彼の体重は、ほぼ30ストーン(190kg)に達していた。
Steve's three miles-per-hour journey through the back roads of this vast and varied country began last April in southern California, when he weighed almost 30 stone (190kg).


 "stone"は英国の重さの単位で、体重に用いられるものだそうです。
 1ストーンで6.3503kgとのこと。

彼はスーパーマーケットの通路ほどの距離を歩くのでも、息を上げていた。そして彼は、自分が早死にへの道を歩いている事に気が付いた。
He couldn't walk the length of a supermarket aisle without losing breath, and he realised he was on the way to an early death.


 アメリカの話なので、スーパーマーケットの通路と言っても、随分と距離があるように思えますが、いずれにしても「不健康」であったわけですね。

そして幸せな結婚をして、二児の父となった彼は、子供達のために自分自身を改革する決断を下した。文字通りアメリカを歩いて横断し、体重を減らそうと、決断したのだった。
So the happily-married father-of-two took the decision to reinvent himself for the sake of his children, to literally walk off the weight by trekking America.


「子供のために自分を変える」という発想、共感するところ大です。
 子供がいるから守りに入る、という発想もありますが、子供がいるからこそ攻めに転じる、自分を変えていく、という発想もあります。
 Steveさんは後者の考え方ですね。

現在、Steveは114ポンド(8ストーン、52kg)の減量に成功し、ゴールであるニューヨークのRockefeller Plazaまで、残すところ600マイル以下、約六週間の行程で辿り着くところまで来ている。
Today Steve has lost 114lbs (eight stone, 52kg) and has less than 600 miles - about six weeks - to reach his goal, Rockefeller Plaza in New York City.


 もう残り僅かですね!

しかし、体重減量のエクササイズとして始めた彼の旅行は、自己発見の旅へと姿を変え、全米からの注目を惹き付けてやまないものになった。
But what began as an exercise in weight loss has turned into a journey of self-discovery - and one that is attracting growing attention from all over America.


 これ以降は、彼がマスコミの注目の的になった話や、BBCとのインタビューで語った彼の言葉などが記されています。
 彼の元へは8万通ものEメールが殺到し、彼はメールの洪水に対処するために、4回もメールアカウントを変えなければならなかったそうです。
 海兵隊員時代の彼は健康な兵士だったそうですが、退役後の交通事故で二人の犠牲者を出してしまったことから憂鬱と過食の悪循環に陥っていたそうです。

 BBCの元記事の後半には、この旅で彼が感じたことや、彼を商業的な"icon"として利用しようとするオファーに対する、彼の感想などが記されています。
 訳して紹介するのは骨が折れるので、興味のある方は、「BBCNEWSWebsiteの該当記事」からご覧になってください。

 最後に、BBCの元記事の末尾に記された彼の言葉を、紹介しておきましょう。

 彼は言う。
「僕はヒーローになろうとしているのでも、誰かにとっての偶像になろうとしているのでもないよ」
「僕はただの普通の男だよ。自分の人生を自分でコントロールしようとしていて、人生がおかしな方向へ向かっていたことを、知っているだけだよ」
"I'm not trying to be a hero or an icon to anyone," he says. "I am just an ordinary guy, trying to take control of my life and figure out where it went awry."


 達観してますね。