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2007年5月4日

オーストラリア:未熟児の双子、生存への賭けに勝利

BBCNEWSWebsite の該当記事

 妊娠29週で生まれたわずか530グラムの赤ちゃんが、心臓手術を乗り越え、一卵性双生児の兄弟と共に元気に育っているそうです。
 彼の生存確率はわずか1/3だったとの事。
 全訳でご紹介しましょう。

未熟児として生まれた一卵性双生児が、その一人は一緒に生まれた兄の僅か三分の一の体重しかなかったが、厳しい生存確率を乗り越えて生命を保った。
Two premature identical twins, one born only a third the size of his brother, have beaten huge odds to survive.

Lincoln Ryman は予定日より11週も早く生まれ、出産時の体重は僅か1ポンド2オンス(530グラム)しかなかった。一緒に生まれた兄弟、Byron の体重は3ポンド6オンス(1.5キログラム)である。
Lincoln Ryman weighed just 1lb 2oz (530g) when he was born 11 weeks early along with his big brother, Byron, who weighed 3lb 6oz (1.5kg).


 妊娠予定日付近で生まれた子供の体重は、概ね2,500グラムから3,000グラムを越えるぐらいでしょうか?
 体重530グラムというと、通常の新生児の1/5~1/6しかない訳ですね。
 ただでさえ、生存が危ぶまれる状況ですね。

 BBC の元記事に、二人の写真が掲載されています
 弟の方は、ホントに小さいですね。

シドニーの Royal Hospital for Women の医師たちは、胎児たちが比較的稀な妊娠合併症にあることを発見し、早期出産を決定した。
Doctors at the Royal Hospital for Women in Sydney intervened to deliver the boys when they discovered a relatively rare pregnancy complication.

Lincoln 君の体から Byron 君の体に血液が流れ、二人とも危険な状態だったのだ。
Blood was flowing from Lincoln to Byron, putting both in danger.


 とんでもない状況にあったようです。
 未熟児で生まれる上に、心臓に欠陥があるという絶体絶命の状況に置かれていた訳ですね。

二人の母親、Nicole は、彼女にとって最良の選択は妊娠29週で二人を出産する事だと決まった時、最悪の事態を予期するように告げられた。
Their mother, Nicole, was told to prepare for the worst when it was decided the best option would be for her to deliver the boys in the 29th week of her pregnancy.

医師たちは、Lincoln 君が生き延びる確率は三分の一しかないと考えていた。彼は小さすぎたのである。
Doctors gave Lincoln a one in three chance of survival because he was so small.


 生存確率1/3。
 高いようにも思えますが、決して楽観できる確率ではないですね。
 命が掛かっていますから。

しかし、体重が著しく少ない上に、出産後に心臓の手術を受けたにも拘わらず、彼は兄と共に元気に成長している。
Despite his very low weight and needing heart surgery after he was born, Lincoln is now thriving, as is his brother.

体外受精で二人を授かった Nicole と夫の Todd は、親になった最初の一週間は気も狂わんばかりだった、と語った。
Nicole and her husband Todd, who conceived through IVF, said their first weeks of parenthood had been nerve-racking.

Ryman 夫人はこう語った。「世界で一番幸せだと思っていたわ。二人とも無事に生まれるなんて、とても考えられなかったから」
Mrs Ryman said: "We've been on top of the world because we didn't think we were going to have them both.


 双子の出産だけでも、彼らの人生における最大の喜びだと思いますが、二人とも厳しい試練を乗り越えて元気に生まれたという事実が、彼らの幸福感を倍増させたのでしょう。
 しかし、そのとてつもない幸せの前には、絶え難い不安や心配が彼らを苛んだことでしょう。

「不安に慄いた事もあったけど、二人はとても元気で成長しているし、いずれは二人とも、家に連れて帰れるようになるわ」
"We've had a few scares on the way but they are pretty well going forward now and I know I'm going to be able to take them both home."

来週末には Byron 君が退院し、彼は両親と共に自分の家で暮らし始めるだろう。Lincoln 君の方は来月まで、病院の新生児集中治療室にとどまる見込みだ。
She is expected to take Byron home at the end of next week. Lincoln will stay in the hospital's newborn intensive care unit for another month.

双子の治療を担当した Parag Misha 博士は Lincoln 君について次のように語った。「彼が生き延びる確率は、30パーセント以下でした。なぜなら、彼はあまりにも小さく生まれてきたからです」
Dr Parag Misha, who has been looking after the twins, said about Lincoln: "The chance of survival I gave him was less than 30% because he was so small.

「上手くいけば、彼の体重はもうすぐ、どんどん増え始めるでしょう。そして、お兄ちゃんの体重に近付いてゆくでしょう」
"Hopefully he will soon start gaining weight much more quickly and get nearer and nearer his brother."


 という訳で、今回は人生最初の試練に打ち勝った赤ちゃんのニュースでした。

 これほど劇的な誕生を経ていなくても、母親の胎内からこの世に生まれ出た瞬間は、誰にとっても素晴らしい一瞬だと思います。

 親も子供も、往々にしてそれを忘れがちなのですが、その瞬間に思いを馳せる時、誰もが「掛替えのない存在」である事を、思い出すのではないでしょうか?

 相変わらず、私の訳は脚色していますので、ご注意ください。

2007年4月28日

英国:耳で旅客機を引っ張る!?

BBCNEWSWebsite の該当記事

 世の中、色んな事を考える人がいますね~。
 今回はなんと、両耳で旅客機を牽引した人のお話です。

 どうやったらそんな事が考え付くのでしょうか?
 それにしても何故、そんな挑戦をしたのでしょう?

 全訳でご紹介しましょう。

両耳を使って旅客機を引っ張る挑戦に成功したレスター市の男性が、ギネスブック入りを楽しみにしているそうだ。
A Leicester man is hoping to walk into the record books after pulling a passenger aircraft with his ears.


 いつもの如く、GoogleMaps でレスター市を探してみましょう。

Highfields に住む Manjit Singh (57) は、レスターシャー州カスルドニントンのイーストミッドランド空港において、飛行場の駐機場に沿って旅客機を12フィート(3.4m)も引っ張ったそうだ。
Manjit Singh, 57, from Highfields, pulled the aircraft 12ft (3.4m) along the apron at East Midlands Airport, at Castle Donington in Leicestershire.


 イーストミッドランド空港は国際空港みたいですね。
 GoogleMaps だと、こちらですね。
 それほど大きな空港ではないみたいですね。

 しかし、57歳にしてこんな挑戦をするとは Manjit さんは大した壮年ですね。
 つい最近取上げたアマゾン川を泳いで下ったスロベニア人男性も50代でしたね。

これから彼は、記録に挑戦する様子を収めたビデオテープをギネス・ワールド・レコーズ社に送って、同社の認定を受けるそうだ。
He said he will now send off video footage of the record attempt to be verified by officials at the Guinness World Book of Records.

彼は、重量およそ7.4トン(7,400kg)の Jetstream 旅客機を両耳で牽引したという。
The Jetstream passenger plane weighed approximately 7.4 tonnes (7,400 kg).


 Jetstream 旅客機って、こんな飛行機みたいです。

Jetstream 41 Eastern Airways Wikipedia より引用


 旅客機としてはちょっと小さめでしょうか?
 でも、両耳で引っ張れるようには思えません。

Manjit さんは、既に30もの世界記録の保持者である。その中には髪で二階建てバスを引っ張るという記録や、両耳で 85kg の重りを持ち上げるという記録もある。
Manjit already holds 30 world records, which include pulling a double decker bus with his hair and lifting 85 kg with his ears.


 常人には想像し難い挑戦に立ち向かってきたんですね~。
 二階建てバスは、例のロンドンの赤いバスでしょうか?

記録への挑戦を終えた後、彼は次のように語った。「具合はそんなに悪くないよ。耳の辺りがちょっと痛むけど、大丈夫だよ」
Speaking after the record attempt, he said: "I don't feel too bad, I have a little bit of pain around the ears but I'm ok.


 ちょっと痛いだけですか?
 参りました。

「この挑戦が成功して、本当に、本当に嬉しいよ。そして、この挑戦の実現に協力してくれたみんなに、とても感謝してるよ」
"I feel really, really pleased that I've managed to achieve this and am very grateful to the people who made it possible."


 と感謝感激の Manjit さんなのですが、しかしまぁ、彼はなぜこんな事に挑戦したのでしょうか?

この挑戦は、彼自身が運営する慈善団体 Manjit Fitness への資金を募るために行われた。Manjit Fitness は、彼の生まれ故郷であるインドの Mahilpur の子供たちの為に、スポーツを振興する事を目的にしている。
The attempt raised money for his charity Manjit Fitness, which aims to get children living in his native Mahilpur, India involved in sport.


 子供たちのための募金活動だったんですね~。
 エベレスト最多登頂記録への挑戦の記事でも、ちょっとだけ紹介しましたが、慈善活動の方法って色々あるんですね~。

 相変わらず、私の訳は脚色していますので、ご注意ください。

2007年3月20日

NZ:ダイオウホウズキイカ、大きすぎ

BBCNEWSWebsite の該当記事

 またもや古いニュースで恐縮です(汗)。

 ダイオウホウズキイカ(英語名:colossal squid )ってご存知ですか?
 かの有名な巨大イカ、ダイオウイカよりもさらに大きいと考えられているイカで、南極海周辺に生息しているそうです。

 言葉で説明するよりも、全国いか加工業協同組合の Web 版原色世界イカ類図鑑をご覧頂いた方が判りやすいですね。
 下記ページの最下端に、ダイオウホウズキイカの記述があります。


 さてさて、このダイオウホウズキイカですが、ほぼ完全な成熟個体が南極海で水揚げされたそうです。
 しかし、その巨大さゆえの難問が科学者を悩ませているみたいです。

 長いので抜粋でご紹介しましょう。

ダイオウホウズキイカの成熟個体がほぼ原形を保ったままで水揚げされたのは、今回が初めてのことだろう。
It is believed to be the first ever intact adult colossal squid to be landed.


 世界初の快挙(?)のようですね。
 科学者にとっては、絶好のチャンスが巡ってきた、という所でしょうか。 

現在のところ、体重495kg(1,090ポンド)のこの深海の怪物は、ニュージーランドのウェリントンにある国立博物館、Te Papa Tongarewa 博物館で、1立方メートルの氷塊に無事に氷漬けされて、保管されている。
And for now, this beast of the deep - all 495kg (1,090lb) of it - is safely frozen in a one-cubic-metre block of ice at New Zealand's national museum, Te Papa Tongarewa, in Wellington.

 地元メディアの報道によると、このイカの体長はなんと10m(33フィート)!
 触腕まで含めた長さでしょうが、大きいですね。

 触腕というのは、イカの10本の腕の中でも特に長い二本の腕の名称で、主に狩りや生殖行動に使われるみたいです。

 そしてこのイカの水揚げには、なんと二時間も掛かったそうです。

学名で Mesonychoteuthis hamiltoni と呼ばれるこのイカは、先月、南極周辺海域で漁船に捕獲された後、今週、博物館に運び込まれた。
The squid (Mesonychoteuthis hamiltoni) came into the institution this week after being caught last month by fishermen operating in Antarctic waters.


 水揚げ時の状況はこんな感じだったようです。

The squid took about two hours to land
この写真は BBCNEWSWebsite より転載したものです


最終的に、Te Papa 博物館の学芸員たちが準備を整えるのを待って、このユニークな標本には解凍処理が施され、詳細な調査に供されるだろう。
Eventually, when the curators at Te Papa are ready, this unique specimen will be thawed to allow detailed investigation.

しかしそれは、一年後の事となりそうである。
But that could be up to a year away.


 おや?
 標本の解凍作業を準備するために、そんなにも時間が必要なのでしょうか?

Te Papa 博物館が所有する「水生生物コレクション」の収蔵エリアは現在、改修工事中である。この工事が終るまで、このイカに永住の地は与えられないだろう。
The entire storage area for Te Papa's "wet" collection is being renovated, and the squid will not have a permanent home until that work is completed.

この巨大な軟体動物の詳細な研究は、解凍作業を始めないと何も手をつけることはできない。
Only then can the delicate work of un-freezing this massive mollusc begin.


 どうやら、Te Papa 博物館の改修はもともと予定されていたものではなく、このイカの解凍と研究をするためのもののように思えます。

 Te Papa 博物館の軟体動物部門の責任者 Bruce Marshall が、BBC の記事中で解凍から標本の固定作業に至る困難を語ってくれていますが、割愛します。
 この巨大なイカは、何日間も掛けて室温で自然解凍されるそうです。
 そして、保管するための巨大な水槽が必要だそうです。

「これまでに使った中で、最大の水槽が必要になるだろうね」
"It will require the biggest tank of anything we've got."


 その「最大の水槽」を作るために、博物館を改修しているのでは?と、私は推測しています。

 さてさて、ダイオウホウズキイカとは一体、何者なのでしょう?

Mesonychoteuthis hamiltoni が最初にその存在を確認されたのは1925年。マッコウクジラの胃から二本の触腕が採取された時のことだ。それ以来、ダイオウホウズキイカの目撃証言は、ほんの数例しか報告されていない。
Mesonychoteuthis hamiltoni was first identified in 1925 after two tentacles were recovered from a sperm whale's stomach. Since then, only a handful of colossal squid have ever been sighted.

ロス海での目撃が二例報告されている他、2005年にはサウス・ジョージア島近海でも目撃された。
Two were found in the Ross Sea, and another turned up near South Georgia in 2005.


 サウス・ジョージア島は南極近海の島ですね。
 GoogleMaps によるとこちら(別窓)。

ダイオウホウズキイカの顎板は、既知の全てのイカの中で最大級のものの一つだ。また、その触腕の先端部には、この種独特の回転する鍵爪を持っている。
The colossal squid has one of the largest beaks known on any squid, and also has unique swivelling hooks on the clubs at the ends of its tentacles.


 "beak" は「くちばし」ですが、イカの仲間は「からす・とんび」と呼ばれる固いくちばしを口に持っています。
 詳しくはこちらをご覧下さい。

 "swivelling hooks"は、「回転する鍵爪」としましたが、スクリューのようにくるくると回転する器官が生物の体に殆ど見られない事を考慮すると、「可動型の鍵爪」とした方が良いかも知れませんね。

今回採取されたダイオウホウズキイカは、二月初旬、南極のロス海においてニュージーランドの漁船が捕獲したものだ。
This latest colossal squid was caught by a New Zealand fishing vessel in Antarctica's Ross Sea in early February.

来週、ダイオウホウズキイカの標本はニュージーランドの水産大臣 Jim Anderton から、Te Papa 博物館の館長 Seddon Bennington 博士に正式に引渡される。
Next week will see an official handover from New Zealand's Fisheries Minister, Jim Anderton, to Te Papa's chief executive, Dr Seddon Bennington.


 この記事は先週掲載された記事なので、正式引渡しは今週でしょう。

科学者たちは、このイカの性別特定に熱心に取り組む事になるだろう。それにより、この種のイカが一体どの程度まで大きくなるのかという謎の解明に、我々は一歩近付く事になる。
Scientists will be keen to ascertain the creature's gender; and then we may get a little closer to understanding just how big these squid can grow.

Marshall 氏は、体長でほぼ10m(33フィート)という大きさから考えて、この標本の性別はメスだろうと推測している。というのは多くの場合、イカのメスはオスよりも大きいからだ。
Marshall thinks that given its size - an estimated 10m (33ft) in length - it is likely to be a female, as female squid are often larger than males.

「これはオスじゃないと思うよ、まず間違いなく」と Marshall 氏は言う。「もしこれがオスだったら、メスの大きさには度肝を抜かれるだろうね」
"It's extremely unlikely to be a male," says Marshall. "If it is a male, the mind boggles at how big the female would be."


 なるほど~。
 私は既に度肝を抜かれているんですけど(笑)。

 どうやら、まだまだ未知の生物が、地球には生息しているみたいですね。
 ひょっとしたら、宇宙にも、かな?

 相変わらず、私の訳は脚色していますので、ご注意ください。