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2007年3月20日

NZ:ダイオウホウズキイカ、大きすぎ

BBCNEWSWebsite の該当記事

 またもや古いニュースで恐縮です(汗)。

 ダイオウホウズキイカ(英語名:colossal squid )ってご存知ですか?
 かの有名な巨大イカ、ダイオウイカよりもさらに大きいと考えられているイカで、南極海周辺に生息しているそうです。

 言葉で説明するよりも、全国いか加工業協同組合の Web 版原色世界イカ類図鑑をご覧頂いた方が判りやすいですね。
 下記ページの最下端に、ダイオウホウズキイカの記述があります。


 さてさて、このダイオウホウズキイカですが、ほぼ完全な成熟個体が南極海で水揚げされたそうです。
 しかし、その巨大さゆえの難問が科学者を悩ませているみたいです。

 長いので抜粋でご紹介しましょう。

ダイオウホウズキイカの成熟個体がほぼ原形を保ったままで水揚げされたのは、今回が初めてのことだろう。
It is believed to be the first ever intact adult colossal squid to be landed.


 世界初の快挙(?)のようですね。
 科学者にとっては、絶好のチャンスが巡ってきた、という所でしょうか。 

現在のところ、体重495kg(1,090ポンド)のこの深海の怪物は、ニュージーランドのウェリントンにある国立博物館、Te Papa Tongarewa 博物館で、1立方メートルの氷塊に無事に氷漬けされて、保管されている。
And for now, this beast of the deep - all 495kg (1,090lb) of it - is safely frozen in a one-cubic-metre block of ice at New Zealand's national museum, Te Papa Tongarewa, in Wellington.

 地元メディアの報道によると、このイカの体長はなんと10m(33フィート)!
 触腕まで含めた長さでしょうが、大きいですね。

 触腕というのは、イカの10本の腕の中でも特に長い二本の腕の名称で、主に狩りや生殖行動に使われるみたいです。

 そしてこのイカの水揚げには、なんと二時間も掛かったそうです。

学名で Mesonychoteuthis hamiltoni と呼ばれるこのイカは、先月、南極周辺海域で漁船に捕獲された後、今週、博物館に運び込まれた。
The squid (Mesonychoteuthis hamiltoni) came into the institution this week after being caught last month by fishermen operating in Antarctic waters.


 水揚げ時の状況はこんな感じだったようです。

The squid took about two hours to land
この写真は BBCNEWSWebsite より転載したものです


最終的に、Te Papa 博物館の学芸員たちが準備を整えるのを待って、このユニークな標本には解凍処理が施され、詳細な調査に供されるだろう。
Eventually, when the curators at Te Papa are ready, this unique specimen will be thawed to allow detailed investigation.

しかしそれは、一年後の事となりそうである。
But that could be up to a year away.


 おや?
 標本の解凍作業を準備するために、そんなにも時間が必要なのでしょうか?

Te Papa 博物館が所有する「水生生物コレクション」の収蔵エリアは現在、改修工事中である。この工事が終るまで、このイカに永住の地は与えられないだろう。
The entire storage area for Te Papa's "wet" collection is being renovated, and the squid will not have a permanent home until that work is completed.

この巨大な軟体動物の詳細な研究は、解凍作業を始めないと何も手をつけることはできない。
Only then can the delicate work of un-freezing this massive mollusc begin.


 どうやら、Te Papa 博物館の改修はもともと予定されていたものではなく、このイカの解凍と研究をするためのもののように思えます。

 Te Papa 博物館の軟体動物部門の責任者 Bruce Marshall が、BBC の記事中で解凍から標本の固定作業に至る困難を語ってくれていますが、割愛します。
 この巨大なイカは、何日間も掛けて室温で自然解凍されるそうです。
 そして、保管するための巨大な水槽が必要だそうです。

「これまでに使った中で、最大の水槽が必要になるだろうね」
"It will require the biggest tank of anything we've got."


 その「最大の水槽」を作るために、博物館を改修しているのでは?と、私は推測しています。

 さてさて、ダイオウホウズキイカとは一体、何者なのでしょう?

Mesonychoteuthis hamiltoni が最初にその存在を確認されたのは1925年。マッコウクジラの胃から二本の触腕が採取された時のことだ。それ以来、ダイオウホウズキイカの目撃証言は、ほんの数例しか報告されていない。
Mesonychoteuthis hamiltoni was first identified in 1925 after two tentacles were recovered from a sperm whale's stomach. Since then, only a handful of colossal squid have ever been sighted.

ロス海での目撃が二例報告されている他、2005年にはサウス・ジョージア島近海でも目撃された。
Two were found in the Ross Sea, and another turned up near South Georgia in 2005.


 サウス・ジョージア島は南極近海の島ですね。
 GoogleMaps によるとこちら(別窓)。

ダイオウホウズキイカの顎板は、既知の全てのイカの中で最大級のものの一つだ。また、その触腕の先端部には、この種独特の回転する鍵爪を持っている。
The colossal squid has one of the largest beaks known on any squid, and also has unique swivelling hooks on the clubs at the ends of its tentacles.


 "beak" は「くちばし」ですが、イカの仲間は「からす・とんび」と呼ばれる固いくちばしを口に持っています。
 詳しくはこちらをご覧下さい。

 "swivelling hooks"は、「回転する鍵爪」としましたが、スクリューのようにくるくると回転する器官が生物の体に殆ど見られない事を考慮すると、「可動型の鍵爪」とした方が良いかも知れませんね。

今回採取されたダイオウホウズキイカは、二月初旬、南極のロス海においてニュージーランドの漁船が捕獲したものだ。
This latest colossal squid was caught by a New Zealand fishing vessel in Antarctica's Ross Sea in early February.

来週、ダイオウホウズキイカの標本はニュージーランドの水産大臣 Jim Anderton から、Te Papa 博物館の館長 Seddon Bennington 博士に正式に引渡される。
Next week will see an official handover from New Zealand's Fisheries Minister, Jim Anderton, to Te Papa's chief executive, Dr Seddon Bennington.


 この記事は先週掲載された記事なので、正式引渡しは今週でしょう。

科学者たちは、このイカの性別特定に熱心に取り組む事になるだろう。それにより、この種のイカが一体どの程度まで大きくなるのかという謎の解明に、我々は一歩近付く事になる。
Scientists will be keen to ascertain the creature's gender; and then we may get a little closer to understanding just how big these squid can grow.

Marshall 氏は、体長でほぼ10m(33フィート)という大きさから考えて、この標本の性別はメスだろうと推測している。というのは多くの場合、イカのメスはオスよりも大きいからだ。
Marshall thinks that given its size - an estimated 10m (33ft) in length - it is likely to be a female, as female squid are often larger than males.

「これはオスじゃないと思うよ、まず間違いなく」と Marshall 氏は言う。「もしこれがオスだったら、メスの大きさには度肝を抜かれるだろうね」
"It's extremely unlikely to be a male," says Marshall. "If it is a male, the mind boggles at how big the female would be."


 なるほど~。
 私は既に度肝を抜かれているんですけど(笑)。

 どうやら、まだまだ未知の生物が、地球には生息しているみたいですね。
 ひょっとしたら、宇宙にも、かな?

 相変わらず、私の訳は脚色していますので、ご注意ください。